Tell me why?

金の瞳の少年は尋ねました。
「何で俺を拾ったの?」

周りの人が口々に何でだろうと言います。
だから金の瞳の少年も不思議に思って尋ねました。何度も尋ねました。

「ねえ、何で俺を拾ったの?」

紫の瞳の少年は困りました。
正直に言うと、分からなかったからです。
でも「分からない」と金の瞳の少年に言うのがいやでした。
だから、一生懸命思い出しました。
自分を呼ぶ声が聞こえて、それから、導かれるように歩いて、辿り着いたことだけは分かっています。 でも金の瞳の少年は呼んでないと言います。
では何故声が聞こえたのでしょう。
何故、迎えに行ったのでしょう。
考えて、考えて。
やがて、考え付きました。
それは、さびしかった自分自身の『誰か』を求める餓えが、金の瞳の少年の小さな声を拾ってしまったからではないかと。
でも、そんなことを認めるわけには行きません。
だから、紫の瞳の少年はいつも不機嫌そうに答えます。

「煩かったんだよ」


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